脳卒中は、高齢者の発症が非常に多く、日本での死亡率も
第3位と高いのでこれ以上発症するのを防ぐために予防する
ことが重要になってきます。
脳卒中を発症させる原因が数多くあり、脳卒中の患者数が
減らないのも予防を重要視する一因にもなっています。
特に高血圧症、高脂血症、糖尿病などの疾患がある方は
注意しなければなりません。これらの疾患を患っている方は
動脈硬化が起こりやすく、脳卒中などの
虚血性疾患(血の固まりが血管につまったり、
やぶれたりするような病気)では、動脈硬化が一番の
原因だと考えられています。
高血圧症や糖尿病などの疾患を患っている方は
完治できなくても症状が重症化しないようにある程度
コントロールする必要があります。
高血圧症は、常に血圧が高い状態のことです。現在では、収縮期血圧が140以上
または拡張期血圧が90以上ならば高血圧症であるといえます。
もし、病院で高血圧だと診断された方は、食生活などを変えて少しでも改善するように
しましょう。 具体的には食塩の量を減らす(薄味にする)お酒やタバコを控える、
一日30分ほどのウォーキングを毎日行うなどの方法があります。
血圧が高ければ高いほど、血管に与える負担が大きくなり、破れやすくなるので少しでも
血圧を低くすることが重要です。
高脂血症とは、血液中にコレステロールや脂肪が異常に多くなって
血液がドロドロの状態のことをいいます。血液検査をして、LDLコレステロールが
140以上、HDLコレステロールが40以下、トリグリセリドが150以上のどれかに
当てはまれば高脂血症であるといえます。
高脂血症の状態を長く保っていると動脈硬化が進行して脳以外の臓器にも影響が
出てきますが、改善することができれば死亡率が減るとも言われています。
改善するには、食事からとれるコレステロールや脂肪の摂取を減らし、ウォーキンングを
30分行うといった有酸素運動をしましょう。
ここでいう糖尿病とは肥満や運動不足などの生活習慣が原因で起きる
2型糖尿病のことです。糖尿病は血液の中の糖分が多くなり、
一定以上の糖分が常に高い状態が続くと尿になってあらわれてくる状態をいいます。
血液検査を2回測定して、2回とも空腹時血糖が126以上であれば糖尿病となります。
他にもHbA1c(ヘモグロビンエーワンシ−)が6.5%以上であれば1回の測定だけで糖尿病と
判断されます。糖尿病の合併症には、細い血管がつまりやすくて起きる目の網膜症や手足の
神経障害、さらには脳や心臓にある血管の障害があるので、血管をボロボロにする病気だという
ことが想像できるかと思います。糖尿病と診断されたら、合併症を予防しながら症状を
改善させていくことが重要になります。
生活習慣の改善には食事制限と運動があります。
食事は塩分やコレステロールを制限したり、食べ物を噛む量を
増やしたりします。運動の方は有酸素運動を中心に行います。
この3つに加えて更に肥満が加わると「死の四重奏」などと
言われ脳卒中だけでなく、心臓や腎臓といった他の臓器にも
影響を与えるので、非常に危険な状態と言えます。
※ここでは説明を簡略化する為に細かい診断方法を
省略しております。気になる方は専門機関での
受診をお勧めします。
例え、高血圧症や高脂血症でなくても、
脳卒中になる可能性は十分あります。
普段の生活習慣を改め、
自分の体調を管理することが大切です。
これらのことは脳卒中だけでなく、健康に日常生活を送るうえでも大切なことになってきます。
ある日突然、脳卒中で倒れたりしないように、一度ご自身の生活習慣を
見直し、改善が必要だと
感じたら、少しでも早く日常生活を改める努力をしましょう。